
医療費控除ってどうすれば?
そもそも控除の条件って?
必要な書類は?
11月になり、我が家では住宅ローン減税や生命保険の書類が届き始めました。
これらは年末調整をすることで毎月支払っている所得税の見直しが行われて還付されますが、医療費控除を受けるためには自分で確定申告をしなければなりません。
病気や出産などで多額の医療費を支払った人は、医療費控除によって税金の一部を取り戻せる可能性があります。
この記事では、確定申告の1つである医療費控除についての疑問や悩みを解決できるように紹介しています。
確定申告の期限をすぎても5年間は還付申告できるので、医療費控除ってなんぞや?条件は?やり方は?という方は、ぜひ参考にしていただきたいと思います。
この記事で、実際に医療費控除をした様子を書いています。


我が家は今年も確定申告です
医療費控除ってどんな制度?
病気やケガをしたとき、病院に行って治療を受けたり薬を処方してもらいます。
病院に行く必要がない場合でも、治療に必要なものがあれば薬局などで購入します。
その時に支払った医療費が年間(1月1日~12月31日)で一定額以上の場合、納めた税金(所得税)の一部が還付される制度のことを医療費控除といいます。
ある金額から一定の金額を差し引くという意味。
所得控除を受ければ、それだけ所得を減らすことができ、支払う税金も減るということになります。
医療費控除を受けるためには確定申告をする必要があるので、医療費を支払ったときの領収書はキチンと保管しておきましょう。

2019年分の確定申告は
2020年2月17日~3月16日です!
では、医療費控除について少しづつ紐解いていきましょう!
医療費控除を受けられる条件は?

どんな人でも
医療費控除を受けられるの?
医療費の支払いがあったからといって全員が医療費控除を受けられる訳ではありません。
医療費が年間10万円(年間総所得金額が200万円みまんの人はその5%分の金額)を超える場合は、その超過額について所得控除を受けることができます。
病気や出産などで医療費をたくさん支払った人は要チェックですが、定期的に通院したり治療している人も対象となる場合があるので、次の計算式にあてはめてみましょう!
医療費控除額
=(支払った医療費)ー(保険金などで補填された金額)ー10万円
医療費控除額(総所得が200万円以下の場合)
=(支払った医療費)ー(保険金などで補填された金額)ー所得の5%
ここで、医療費控除額を計算するときに出てきた3項目について詳しく説明していきます。
●支払った医療費
1年間に支払った医療費はもちろんのこと、治療費以外にも通院のための交通費や入院中の食事代なども含めることができます。
また、別居していても生計が同じであれば医療費を合算して申告することができるので、1人暮らしをしている大学生、単身赴任している家族の医療費も合算することができます。

別居している家族がいる方は
領収書を取り寄せておきましょう!
医療費として対象となるもの・ならないものは、のちほど詳しく説明しています。
●保険金等で補填されるもの
以下のような給付があった場合は、支払った医療費から差し引くことになります。
親戚やお友達などからいただいた場合が考慮する必要はありませんが、元気になったときにはきちんとお礼することも忘れずにね♪
●10万または所得の5%
所得に応じてどちらを差し引くかを選ぶことになります。
年間の所得が190万円の人の場合は、190万円×0.05=9,5万円を差し引くことになります。
以上のことをまとめると、次のようになります。
ちなみに、我が家の10月31日現在での医療費控除額を計算してみましょう!
- 支払った医療費は115,430円
- 補填された金額は2,300円
なので、医療費控除額=115,430円ー2,300円ー100,000円=13,130円ということになります。
では、所得税はいくら還付されるのか計算してみますと…

我が家の所得税率は20%なので、医療費控除額13,130円×所得税率20%=2,626円が所得税として還付されます。
一方、住民税は所得に関わらず一律10%なので、医療費控除額13,130円×10%=1,313円となり、所得税と合わせると4,939円の節税効果があるということになります。
還付金は1か月半くらいで指定した口座に振り込まれるか、最寄りの郵便局で受け取ることになります。
医療費の対象となるもの、ならないもの

対象にならないものって
どんなものがあるの?
支払った医療費がすべて医療費控除の対象ではないと紹介しましたが、ここでは医療費控除の対象になるかどうかを判断する基準を紹介します。
それは、支払った医療費が『治療目的』のものか『予防目的』のものかということです。
よく勘違いされる予防接種費用ですが、予防接種は病気にならないための『予防を目的』としているので医療費控除の対象にはなりません。
小さいお子さんをお持ちの方に大好評なメルシーポットですが、こちらは鼻水を吸い取るという治療目的であるので医療費控除の対象となります。
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では、もう少し具体的に医療費控除の対象になるもの・ならないものを見ていきましょう!
●医療費控除の対象となるもの
治療を目的として支払った費用は、医療費控除の対象となります。
- 病院での診療費・治療費・入院費
- 治療に必要な医療器具の購入費用(松葉杖など)
- 歯の治療費
- 治療のためのリハビリ・マッサージ費用
- 医師に処方してもらった医薬品の購入費用
- 介護保険対象の介護費用
- 子どもの歯列矯正にかかった費用(噛み合わせの治療のみ)
- 妊娠出産による定期健診・検査費用
- 不妊治療にかかった費用
- 薬局で購入した風邪薬など(セルフメディケーション税制)
- 通院に必要な交通費
意外なところだと、通院のために使用したタクシーや公共交通機関(メモでもよい)も対象となるところですね。
ここには一部しか紹介できていないので、『この医療費は対象?対象外?』を知りたい場合は国税庁HPをご覧ください。
●医療費控除の対象とならないもの
病気の予防を目的とした医療費は、医療費控除の対象となりません。
- 人間ドックなど健康診断の費用
- 予防接種の費用
- 美容整形にかかった費用
- 漢方薬・サプリメントの費用
- 差額ベッド代(個人の都合で利用した場合)
ちょっと分かりにくいのが健康診断の費用ですが、
→異常が見つからなかった場合・・・予防のための検査となり対象外
→異常が見つかった場合・・・・・・治療扱いになり対象
という風に、健診の結果によって対象になるかならないか決まります。
健康診断で異常がみつからないことを願いますが、異常がみつかった場合の健康診断の費用は医療費控除の対象となります。
のちほど我が家の医療費の管理方法を紹介していますが、医療費控除の対象でない領収書は別保存しておくと確定申告の書類を作成するときにラクですね♪
医療費控除に必要な書類は?

医療費控除の確定申告に必要な書類は次の4つです。
- 医療費控除の明細書
- 確定申告書Aまたは確定申告書B
- 源泉徴収票(会社員の場合)
- 医療費通知

2017年(平成29年)からは、領収書を添付する代わりに1.医療費控除の明細書を作成して提出することになりました。
医療費控除の明細書の記入方法はコチラに詳しく書かれているので参考にして下さい。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/index.htm

我が家は主人が会社員の1馬力家計なので確定申告書Aを使用しますが、私が個人事業主になって確定申告をするときは確定申告書Bを使用することになります。

領収書、残してないの
どうしよう…
領収書を保存していなかった人に朗報なのが、4.医療費通知です。
2018年11月~2019年10月までに支払った医療費が記載された医療費通知が届きます。
なので、医療費控除を受けようと思っている人は、次のように対処することができます。

注意書きにもありますが、医療費通知に記載された金額と支払った医療費が異なることもあるので、領収書の保管はしっかりしておきましょう!
私は記載漏れなどを見落とさないため、念のため医療費通知が届いたら手元の領収書と見比べてチェックする予定です(笑)

添付する必要はなくなった領収書も
5年間保管しておく必要があります!
領収書の提出が不要になったことで保管方法などを考える必要性はありますが、随分と手間は省けるようになりました。
セルフメディケーション税制とは?
医療費控除の特例として2017年1月1日からスタートした制度で、一定の取り組みを行っている人がスイッチOTC医薬品を12,000円以上購入した場合に所得控除を受けることができます。
スイッチOTC医薬品とは → ☆☆☆
医療費控除と併用できませんが、どちらかを選ぶことができます。

こちらのサイトに分かりやすく紹介されています→https://www.jfsmi.jp/lp/tax/about/
わが家の医療費、こうして管理しています!

医療費の明細書に必要な項目は『医療を受けた人』『病院・薬局の名称』『支払った医療費』『補填された金額』です。
医療費を支払ったら自作のシートに記入し、領収書は医療費を保存するファイルに保管します。

確定申告直前になって慌てないようにするために、定期的に整理しておくことをオススメします。
ちなみに、我が家は毎月末に家計簿を締めるときに医療費の累計も計算していますよ。
まとめ
次の3点について紹介してきました。
- 医療費控除を受けるための条件
- 控除される医療費とは?
- 医療費控除に必要な書類
医療費控除は所得税の還付が受けられるだけでなく翌年の住民税にも反映されるので、還付金が少額でも確定申告しましょう!
2019年分の確定申告は2020年2月16日からですが、医療費控除による還付申告のみの場合は1月から提出することができます。
ここでは紹介していませんが、ネットで確定申告する方法(e-Tax)もあるので活用してみましょう。
何事も直前になって焦ることがないよう、準備は早めにやっちゃいましょう!